メタ認知を鍛える勉強法 - 勉強してるのに成績が上がらない理由と自己モニタリング
「毎日勉強しているのに、なぜか成績が上がらない」という悩みを抱えている子は多いものです。
その原因の一つが、メタ認知の不足です。メタ認知とは「自分の理解度を客観的に把握する力」のことで、この能力が高いと学習効率が格段に上がることが分かっています。メタ認知は非認知能力の一つで、認知能力とのバランスについては認知能力と非認知能力の違いとバランスよく伸ばす勉強法で解説しています。この記事では、メタ認知とは何か、そしてどう鍛えるかをご紹介します。
メタ認知とは:自分の思考を客観視する力
🧑
「メタ認知って、難しそうな言葉ですね...どんな力のことですか?」
🦉
「メタ認知は『自分の頭の中を見る力』じゃ。『今、自分は理解できているかな?』と自問できる力なんじゃよ!」
メタ認知の定義
メタ認知(Metacognition)とは、「認知についての認知」、つまり自分の思考や学習プロセスを客観的に観察・コントロールする力のことです。
メタ認知の2つの要素:
1. メタ認知的知識: 自分の得意・不得意を知っている
2. メタ認知的活動: 自分の理解度をチェックし、調整する
たとえば、「この問題は難しいから、もう一度読み直そう」と判断できる子は、メタ認知が高いと言えます。
メタ認知が高い子と低い子の違い
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| 勉強中 | 「ここ分かってないな」と気づく | 分かっていないことに気づかない |
|---|---|---|
| テスト後 | 「ここを復習しよう」と計画する | 「なんとなくダメだった」で終わる |
| 学習計画 | 自分のペースを理解して調整できる | 計画通りに進まず焦る |
| 問題演習 | 「この解き方で合ってるか?」と確認 | 解けた気になって次に進む |
メタ認知が低い子は、「分かったつもり」が多いのが特徴です。
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「勉強してるのに成績が上がらない」原因
メタ認知が低いと、以下のような問題が起きます。
原因1: 「分かったつもり」で終わっている
症状:
メタ認知的に見ると:
たとえば、先生の説明を聞いて「なるほど!」と思っても、自分で説明できるか試していないと、本当の理解には至っていません。
原因2: 自分の弱点が見えていない
症状:
メタ認知的に見ると:
たとえば、算数の図形問題が苦手なのに、計算問題ばかり解いていると、成績は伸びません。
原因3: 勉強方法を振り返っていない
症状:
メタ認知的に見ると:
たとえば、「毎日3時間勉強している」と言っても、ダラダラと教科書を眺めているだけなら、成績は上がりません。
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「メタ認知が低いと『分かったつもり』が多くなるんですね!どうすれば鍛えられるんですか?」
🦉
「良い質問じゃ!メタ認知は『自分に問いかける習慣』で鍛えられるんじゃよ。具体的な方法を見てみよう。」
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「分かったつもり」を防ぐセルフチェック法
メタ認知を鍛えるには、自分の理解度を確認する習慣が重要です。
方法1: アウトプットで確認する
「分かった」と思ったら、必ずアウトプットしてみましょう。
具体的な方法:
1. 誰かに説明する: 親や友達に「今日習ったこと」を説明する
2. 自分で問題を作る: 学んだ内容から問題を作ってみる
3. ノートに書き出す: 見ないで、思い出しながら書く
たとえば、「分数の割り算」を習ったら、「なぜ逆数をかけるのか?」を自分の言葉で説明してみましょう。説明できなければ、理解していません。算数の文章題でのアウトプット力については算数の文章題でつまずく原因と読解力の鍛え方も参考になります。
方法2: セルフテストを習慣にする
「覚えた」と思ったら、必ずテストしてみましょう。
具体的な方法:
たとえば、漢字を覚えたつもりでも、テストしてみると書けないことがよくあります。
方法3: 「理解度チェックリスト」を作る
勉強した後、自分の理解度を点数化してみましょう。
チェックリストの例:
15点以上なら「理解できた」、10点以下なら「復習が必要」と判断します。
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学習計画と振り返りの習慣化
メタ認知を高めるには、PDCAサイクルを回すことが重要です。
ステップ1: Plan(計画)- 目標を具体化する
漠然とした計画ではなく、具体的な目標を立てましょう。
NG例(漠然としている):
OK例(具体的):
具体的な計画があると、達成度を測れるようになります。
ステップ2: Do(実行)- 計画通りに実行する
計画を実行するとき、「今、自分は集中できているか?」と自問しましょう。
メタ認知的な自問例:
ステップ3: Check(評価)- 振り返りをする
1週間ごとに、振り返りの時間を設けましょう。
振り返りの質問例:
振り返りをすることで、自分の成長が見えるようになります。
ステップ4: Act(改善)- 次の計画に反映する
振り返りをもとに、次週の計画を改善しましょう。
改善の例:
PDCAサイクルを回すことで、学習効率が上がることが分かっています。
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メタ認知を高める「問いかけ」5選
メタ認知は、自分に問いかける習慣で鍛えられます。
問いかけ1: 「これ、自分の言葉で説明できる?」
理解度を確認する最も簡単な方法です。
使い方:
問いかけ2: 「何が分かって、何が分からない?」
自分の理解の境界線を明確にします。
使い方:
問いかけ3: 「この方法、効果的?」
勉強方法を評価します。
使い方:
問いかけ4: 「次はどうすればいい?」
改善策を考える習慣をつけます。
使い方:
問いかけ5: 「集中できてる?」
自分の状態をモニタリングします。
使い方:
🧑
「メタ認知は『自分に問いかける習慣』で鍛えられるんですね!毎日やってみます!」
🦉
「その通りじゃ!メタ認知を鍛えれば、勉強の効率が格段に上がるんじゃよ。」
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まとめ: メタ認知を鍛えるために
メタ認知とは:
「勉強してるのに成績が上がらない」原因:
1. 「分かったつもり」で終わっている
2. 自分の弱点が見えていない
3. 勉強方法を振り返っていない
メタ認知を鍛える方法:
メタ認知を高めることで、「分かったつもり」から脱却し、本当の理解へと進めます。毎日の勉強で、自分に問いかける習慣をつけてみましょう。メタ認知を含む伸びる子の特徴については中学受験で伸びる子の非認知能力5つの特徴と育て方をご覧ください。
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この記事の執筆について
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執筆者
学びツールズ編集部
最終更新: 2025年11月
教育心理学・学習科学の知見をもとに、保護者の方にも分かりやすく解説しました。
お子さんのメタ認知を鍛える参考にしてください。
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この記事の執筆について
執筆方針
この記事は、学術論文や公式データに基づき、学びツール.com編集部が作成しました。 情報の正確性を最優先し、定期的な更新を行っています。
執筆者
教育分野での経験を活かし、科学的根拠に基づいた学習情報を提供しています。
更新履歴
- 2025年11月: 初版公開
- 2025年11月: 更新